株価を予想することが無意味である理由
皆さんは株を買うときに株価がいくらになるかを予想してから買うタイプでしょうか。
もちろん、株を買うからには株価が上昇する見込みがあるから買うのでしょうが「〇〇円まで上がるだろう」と予想してから買っているのだとしたら、それは無意味であると言わざるを得ません。
今回は株価を予想することが無意味である理由を説明し、何を考えて株を買えばいいのかまで話したいと思います。
なぜ株価の予想は無意味なのか
株価がいくらになるかは誰にも分からない
株価を予想することが無意味である理由を端的に言ってしまえば「当てにならないから」です。
株の世界では何が起こるか分かりません。
5分後の株価さえ誰にも分からないのです。
例えば、2020年にコロナウイルスが蔓延して株価が大暴落することを予想できた人がいるでしょうか。
そしてコロナ禍で金融緩和が行われた結果、金余りのために株式市場が空前の上昇バブル相場を形成するところまで予想できた人はいるでしょうか。
当時、専門家やファンドマネージャーがこぞって「日経平均は〇万円になる」と予想していましたが、そのどれもが的外れで的中しませんでした。
このように、そもそもプロですら分かりようがないものを分かろうとするのは時間の無駄です。
理論的な株価を算出することは出来ますが、それはあくまで理論値でしかなく、実際の相場では理論値からかけ離れた値付けが成されることは日常茶飯事です。
株価を当てる必要はない
そもそも株価がいくらになるかを知る必要などありません。
株価予想を的中させることが儲けるための条件ではないからです。
株式投資では自分が買った値段より高く売れれば儲かり低く売れば損をする仕組みです。
したがって、儲けるためには自分が買ったときより上がるか下がるかさえ分かればよく、「〇円になる」というところまで分かる必要はないのです。
バイアスがかかる
株価を予想してしまうと、無意識のうちにバイアスがかかってしまい投資判断にノイズが混じります。
例えば今500円の株が1000円まで上がると予想したとしましょう。
では、この株が450円まで下がったときどうなるでしょうか。
500円が450円まで下がって-10%の損失が出ているのですから、迷わず損切りすべきです。
しかし、1000円まで上がる予想をしている人には450円という現在の株価が見えず、損切りすべきという判断ができなくなってしまうのです。
これは無意識のうちに「この株は1000円まで上がるはずだ」というバイアスがかかってしまい、450円という現在の株価を直視出来なくなっているのです。
そもそも1000円という数字は自分が勝手に予想しただけの数字であり、何ら正当性や根拠があるわけではないのですが、一度予想してしまうとその数字が頭をチラつくようになるのです。
1000円という予想と離れれば離れるほど自分の予想が間違っているという現実に向き合うのが辛くなっていきます。
最終的にはズルズル下がってしまい、いつ上がるかも分からない株を塩漬けすることになります。
株式投資は株価ではなくトレンドを当てるゲーム
株式投資では株価を当てる必要がないと申し上げました。
では、株式投資では何を当てれば良いのかというと、「株式投資はトレンドを当てるゲーム」なのです。
株価がいくらになるか分かる必要はなく、株価が今後上がっていくのか下がっていくのかという大まかな方向性さえ分かればよいのです。
細かい数字を当てることは不可能ですが、大まかな方向性をあてることなら不可能ではありません。
もちろん方向性の予想が外れることもありますが、株価予想よりはるかに現実的な手段と言えます。
なぜなら株価というのは結局のところ、その企業の業績に見合ったものへと収束していくものだからです。
例えば毎年利益額を成長させ、ずっと株価を上昇させてきた企業の株かは来年も上昇し続ける可能性の方が高いでしょう。
逆に、赤字を垂れ流すばかりで債務超過を目指して突き進んでいる会社の株価は年々下がり続けるでしょう。
その程度の当たり前のことが分かれば十分に利益は確保できるのです。
もちろん、株式市場には業績が横ばいで株価が上がるのか下がるのか予想できない会社も多々あります。
しかし、そういった上がるか下がるか分からないような株なんてどうでもいいのです。
何も全ての会社のトレンドを当てる必要はなく、トレンドが分かりやすい会社の株だけ相手にすればよいのです。
トレンド予測すらできないような株で利益を上げようとするのは無駄な努力に終わる可能性が高く、相手にする必要がありません。
株価予想は止めよう
確かウォーレン・バフェットの言葉だったと思いますが、「正確に計算して間違うより、おおざっぱだが概ね正しい方がいい」という言葉があります。
私もこの意見に賛成です。
株を始めた頃は「株で儲けることができるのは株価を正確に予想したり計算できる人なんだろう」と思っていました。
そのため、株価を計算する式や専門家の株価予想記事を必死で探し回っていました。
しかし今思うと、それらは無駄な努力でした。
結局のところ誰にも将来の株価なんて予想できないし、将来の株価をはじき出す魔法の方程式も存在しないのです。
大事なのは株価という数字ではなく、トレンドという方向性なのです。
業績が好調で株価も上がり調子なのか、あるいはそうではないのか。
それだけ分かれば十分なのです。
「株価がいくらになるか」なんて無駄な予想は止めにしましょう。
そういった記事に目を通すのもNGです。
株で儲けるには自分でトレンドや業績分析をするのが最短の近道です。
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