[格言集] 投資賢者たちの役に立つ金言集

知識

投資をやる上で指針となる言葉があると、自分の投資スタイルやルールを確立しやすくなります。

そしてそのルールがあることによって、投資家は自分の投資行動を自分で決定できるようになるのです。

そこで今回は偉大な投資家たちの言葉を5つ紹介したいと思います。

私自身、これらの言葉のおかげで今まで何度も救われてきた経験があります。

皆さんの参考もなればと思います。

ルール1:絶対に損をしないこと。ルール2:ルール1を忘れるな

これは投資の神様として有名なウォーレン・バフェットの言葉です。

バフェットがお金持ちなるために必要なルールを聞かれた際、2つ挙げたのがこの言葉です。

これは、お金持ちになるためには元手を複利効果で増やす必要があるため、元手を減らすような損失を絶対に避けなさいという意味です。

もしも、投資の初期段階で大きな損失を出してしまうと、投資の元手は減ってしまいます。

リッチになりたいなら、財産を複利で運用する必要があるが、元手は多ければ多いほど良い。

複利運用においては、初期投資額の違いが、20年後・30年後の利益に大きな違いをもたらします。

だから、投資の初期段階において、決して大きな損失を出してはいけない。

メアリー・バフェット&デビット・クラーク共著「バフェットの教訓」より

バフェットが指摘する「初期投資額の違いによる20年後・30年後の利益にもたらす大きな違い」というのは、以下の画像を見ればすぐに分かります。

これは100万円と200万円を年利20%で30年運用した時の増加度合いをグラフ化したものです。

これによれば、初期金額が100万円の場合は30年後に約2億円になっているの対し、初期金額が200万円の場合は約4億円と倍近い差が開いていることが分かります。

初期金額100万円の違いが、30年後の投資結果には2億円もの差になって表れるのです。

これがバフェットの指摘する「初期金額による投資結果の大きな違い」です。

だからこそ、投資の初期段階ほど損失を出さないように気を付けなければならないと言っているのです。

安値でそこそこの会社を買うよりも、適正な株価で素晴らしい会社を買う方がはるかに良い

同じくウォーレン・バフェットの言葉です。

バフェットと言えば割安株を買って長期保有することで財を築いた印象が強いですが、実のところは成長株投資家なのではないかと思っています。

彼がコカ・コーラを買ったのも、アップルを買ったのも、いずれも周囲の人間が「いい会社ではあるけど割高過ぎるから買えない」と敬遠していたタイミングでした。

しかしバフェットは、どちらの会社も長期的に成長しつつあり、多少割高に見えても長期的に見れば良い買い物になることを見抜いた上で多額の投資をして大儲けしています。

他にも割安と言われていた会社はたくさんあったにも関わらず、当時は割高でどの投資家も買おうとはしなかったコカ・コーラやアップルへの投資を成功させたのです。

なぜそんなことができたかというと「安く買う事が投資で儲ける秘訣ではない」という事を知っていたからでしょう。

スーパーマーケットでは商品を安く買えるほど嬉しいですが、ストックマーケット(株式市場)では安く株を買うことが儲けるためのコツではないのです。

というのも、安い株には安いなりの理由があるからです。

例えば、減益決算や成長の見通しが無いなど、株価が安くなるからにはそれなりの理由があり、安い株を買ったからと言って儲けられるわけではないのです。

バフェットはそういった訳あり会社を安く買うよりも、多少割高に思えても素晴らしい会社を買う方がずっと良いと言っているのです。

素晴らしい会社が割高そうに見えるのは、その会社が素晴らしいであるが故であり、それは適正な価格なのです。

よってバフェットは「安値でそこそこの会社を買う」よりも「適正な価格で素晴らしい会社を買う」方がずっと良いと教えています。

最初の損失が最高(最小)の損失である

これはウォール街に伝わる古い格言です。

投資家は株を買った時に損切りのラインを決めておき、そのラインまで株価が下がったら損切りすべきです。

そして投資家をやっていれば遅かれ早かれ、株を買った後すぐに損切りラインまで株価が下がるという事態に直面するでしょう。

この場合、出来るだけ早く損切りを実行するべきなのですが、経験の浅い投資家は「また株価は戻るだろう」とかなどと思い込んでしまい、損切りを実行できないのです。

私自身、損切りが遅れたために無駄に損失を増やしてしまったことがあります。

通常、私は損切りのラインを-8%に設定しているのですが、ある時買った株がすぐに-10%もの下落に見舞われたことがあります。

あまりにも急だったので、一時的な急落に過ぎず、またしばらくすれば株価は戻るだろうと悠長に構えていました。

しかし株価は元に戻ることはなく、そのままズルズルと値を下げ続け、-25%まで損失が膨らんだところで流石にまずいと思い損切りしました。

後になって、その会社が通期の利益計画を大幅に下方修正したのが急落の原因であり、その下方修正を踏まえるとさらに株価が下がってもおかしくないという事が分かりました。

結局私が損切りした後も株価は下がり続け、最終的には-45%もの損失になるところでした。

こういったことがあるからこそ、損切りラインは常に厳守しなければならないのです。

もちろん、株価が下がったので売ったらその後すぐに回復したということは多々あり、そういった局面で損切りしてしまった自分をマヌケに思う日もあります。

しかし、だからといって損切りのラインをなあなあにしていいという事にはなりません。

株価が10%下落した時、それが10%の下落で終わるのか、さらなる下落の序章に過ぎないのかは後になってみないと分からないことです。

しかし、損切りするかしないかの判断は「今」しなければならないことです。

であれば、損切りラインまで株価が下落した最初のタイミングで損切りしておくべきです。

これを端的に言い表したのが「最初の損失が最小の損失である」という言葉なのです。

上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる

これは230億円もの資産を持つ個人投資家cis氏が著書の中で語った言葉です。

彼によれば、株というのは上がったり下がったりをお行儀よくランダムに繰り返しているわけではなく、もっと偏ったものになっているそうです。

これを言い表したのが「上がり続ける株は上がり、下がり続ける株は下がる」という言葉です。

株価が上がっているという事は買おうとする人が多いということ、株価が下がっているという事は株を売ろうとする人の方が多いという事を意味します。

なぜ多いのかは分かりませんが、大切なのは今現在買う人の方が多いから株価は上がっている、売る人の方が多いから下がっているという目の前の事実だという事です。

理由はともかくとして、買われているから上がる、売られているから下がるという目の前の現実を直視し、その流れに従って行動する方が最も勝率が高くなるそうです。

普通の人は、確率をランダムなものと考えてしまう傾向があります。

例えば「今は下がっているけど、いずれ上がるはず」とか、「永遠に上がり続ける株はないのだから、どこかで下がり始めるはず」と考えて、「じゃあどのタイミングで反転するのだろうか」と勝手な予想を始めてしまうのです。

しかしcis氏はそういった勝手な予想はせず、「上がっているうちは買い、下がっている株は買わない、買った株が下がり始めたら売る」というシンプルな原則を守ることで230億円もの資産を築いたのです。

私はこの言葉のおかげで逆張り思想から抜け出し、順張りのトレンドフォローを身につけることができました。

今使っている成長株投資法も、根幹にあるのは「上がり続ける株は上がる」という原則であり、上がり続ける株を保有し続けることで利益を伸ばしていくという手法こそ株式市場の理に適ったやり方だと確信しています。

まず生き残れ 儲けるのはそれからだ

これは世界でも最大のヘッジ・ファンドを率いたジョージ・ソロスの言葉です。

株を買う人の多くは自分が儲けることばかり考えているものですが、ソロスは「まず生き残れ」と教えています。

これは相場に留まるのがいかに難しいかを知っているからでしょう。

株で儲けるためにはまず株式市場で生き残る必要があるのですが、そのことを念頭に置いてから投資を始める人が少ないものです。

実際、近年のコロナ禍によって多数の投資家が退場を余儀なくされました。

儲けることではなく生き残ることを念頭に置いていたなら、すぐに損切りして撤退できたはずです。

私自身は損失には見舞われたものの、この言葉のおかげで生き延びることができました。

儲けたい気持ちは山々ですが、儲けるのは生き残った後だという優先順位を守っていたからこそ今でも投資活動を続けることができています。

儲けるよりも大事なことがあることを教えてくれたこの言葉は、今後も大切にしていきたいと思います。

知識