[初心者必見] 株で損失を抱えたときに考えるべきこと

知識

株式投資をやっていると一定の割合で損失を抱える株が発生してしまいます。

「株式投資の成績は含み損を抱えた株への対処で決まる」と断言する人もいるほど、投資において含み損株に対する取り扱いは重要です。

にもかかわらず、含み損株をどう対処するべきかについて詳しく書かれた記事は少ないようです。

そこで今回は含み損株に対する正しい考え方について説明したいと思います。

損切りが基本

株を買うのは上がると思っていたからなのでしょうが、意に反して株価が下がることがあります。

こういう時、含み損が許容範囲を超えた場合は速やかに損切りを実行するのが基本です。

損切りのラインを-5%や-8%など事前に決めておいて、そこまで下がったら売り注文を出して損失を抑えます。

どこまでを値下がりの許容範囲とするかが人によって違うだけで、含み損が出たら基本は損切りするものだと思っておいて下さい。

もちろん、損切りした後に上がりだして「こんなことなら損切りしなきゃ良かった」と思う事もあります。

しかし損切りした後に上がりだすなんてことは、損切りするタイミングでは分からないことであり、「損切りしない方が良かった」というのは単なる結果論に過ぎません。

後になって後悔する可能性があったとしても、損切りラインまで下がったら問答無用で損切りだと思って下さい。

含み損が出る=自分の何かが間違っている

投資家は上がると思うからこそ株を買うわけですが、市場はそう判断せず、株価は上がるどころか下がり始めて含み損を抱えるに至ります。

買った株が含み損を抱えてしまうのは、株式市場から「お前の判断は間違っている」と言われているようなものです。

選んだ銘柄が間違っていたのかもしれませんし、買うタイミングが間違っていたのかもしれませんし、あるいはその両方ともが間違いだったのかもしれません。

しかしいずれにせよ、自分の判断に間違いがあったからこそ含み損が出ているわけです。

しかし、自尊心やエゴの強い人は自分の間違いを認めることができず、「いや、市場がおかしい」とか「一時的な下落であって、すぐに上がりだすだろう」と思って損切りもせずに持ち続けるのですが、これは大抵の場合上手くいきません。

なぜなら、一個人の判断よりも市場の判断の方が正しい場合の方が圧倒的に多いからです。

さらに言うと、株式市場ではあなたの考えが正しいか正しくないかなどどうでもよく、一個人よりも市場の方が優先される場所なのです。

個人より市場の方が正しい

株式市場というのは多数の投資家の集合体です。

あなた一人が「株価は上がるだろう」と思って株を買ったとしても、その他大勢の投資家が「株価は下がるだろう」と思って株を売れば株価は下がっていきます。

つまり、株式市場とは多数派の意志を尊重する場であり、あなた一人の考えや見立てには何の意味もないのです。

どれだけあなたの考えが正当であっても、それ以外の投資家が逆の判断をすれば、市場ではあなた以外の投資家の意思が反映されます。

したがって、株式市場において自分の考えに固執するのは愚かでしかなく、そういったエゴの強い人ほど大損する傾向にあります。

株式市場において正しいとされるのは多数派の意志であり、あなた個人の判断が正当であるかどうかなんてどうでもいいのです。

このような事情があるため、もしあなたの判断と市場の判断が食い違った場合、正しいのは市場の方ということになります。

これが株式市場の原理です。

含み損は実現損より悪い

含み損を抱えた時に「売って損失を確定するまではまだ損と決まったわけじゃない」と言って損切りせずに株を持ち続ける人がいます。

この考えは正しいでしょうか。

結論から申し上げますと、この考えは間違っています。

結論が間違っている上に考え方も間違っています。

そもそも「売って損失を確定するまでは損じゃない」という考え方ですが、これは単なる詭弁です。

売ろうが売るまいが、もう既にその株の資産価値は減少しているのであって、損失は現実のものとして出ているのです。

売るか売らないかは、単に「値下がり株として保有するか、それとも現金として保有するか」という違いであって損失は既に出てしまっているので「売って確定しない限り損じゃない」という考え方は間違っています。

さらに言うと、「含み損は実現損より悪いものだ」という認識が欠けています。

損切りして損失を実現損として確定させることは辛いことですが、確定した損失はそれ以上大きくなったりはしません。

10万円で損切りしたのなら、10万円の損失が確定されますがそれ以上の損失が出ることはありません。

しかし、含み損はどこまでも拡大する余地があるのです。

10万円の損失で済みそうだったのに、あっという間に20万、30万円と膨らんでいく可能性があります。

損失から目を背けて損切りという判断を先送りにすればするほど、損失拡大の余地が広がっていくわけです。

そのため、含み損は実現損よりも悪いものであり、対処するのが早いほど良いのです。

塩漬けは資金効率を悪化させる

損失を確定させるのが嫌だからと言って含み損株を塩漬けにする人がいます。

確かに塩漬けにしている間は損失が確定されませんが、含み損を抱えた株は資金効率面でも足を引っ張り続けます。

含み損を抱える株を買った資金は、損切りして現金化しない限り戻ってきません。

つまり、損切りしない限りその株を買うために使った資金は含み損株に拘束され続けるわけです。

さっさと売って資金を回収していれば他の投資に回せたであろう資金が、ずっと使えないまま放置されるため、資金効率が著しく落ちてしまうのです。

そのため、含み損株をいつまでも抱え続けるという事は、さらなる損失拡大を許容しているばかりでなく、その資金を使って儲けられるはずだった利益をも放棄するという二重の罪を犯していることになります。

これでは利益が残らないのも当然と言えます。

だからこそ、熟練した投資家は口を酸っぱくして「損切りしろ損切りしろ」と口うるさく言うのです。

含み損株は損切りしよう

以上説明した通り、含み損株は損切りで対処するのが基本です。

慣れていないうちは損失を確定させることに抵抗感を覚えるでしょうが、何回もやっていくうちに「こうすることが正しいんだ」という確信を得られるようになります。

そのころには口座残高も安定するようになっているでしょう。

今回説明した通り、含み損株に対する正しい考え方を持って適切に対処できるようにしていきましょう。

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