投資情報の正しい集め方
投資をするためには正確な情報収集が必須です。
そのため、情報収集する上で「何を」「どのように」「どこから」集めるかは投資家にとって重要な問題です。
間違った情報からは間違った判断しか生まれませんし、集め方によっては時間や労力がかかりすぎたりして投資判断に支障をきたすからです。
そこで今回は投資情報の正しい集め方と、情報の取り扱い方を解説したいと思います。
情報の価値=新鮮さと正確性
情報というのは「新鮮さ」と「正確性」によってその価値が決まります。
古い情報は誰もが知っているため他人に対する優位性がなく、正確でない情報は判断を誤らせる原因にもなりえます。
そういうわけで、情報はその性質から大きく三種類に分けられます。
一次情報(価値は高いが見つけにくく扱いにくい)
一次情報とは「ある個人や組織が直接体験して得られた情報や考察、独自に行った調査や実験の結果得られた情報」のことです。
簡単に言えば、情報の出所となるオリジナル情報のことです。
例えば、原著論文や統計資料、財務諸表、第一発見者が得た情報のことです。
一次情報は収集するのに時間と手間がかかるため誰もが手に入れられるわけではない上に、収集した情報は自分で読み解く必要があるため、取り扱うためにはある程度の情報処理能力と分析能力が求められます。
その代わり、独自性が高く誰の主観も入っていないため情報としての価値は高くなります。
二次情報(手に入れやすいが信憑性に欠ける)
二次情報とは一次情報を多くの人に分かるよう解説したり、要点をまとめるなどして人の手を加えてから公表したものです。
例えば、テレビや新聞などによって公表された情報が二次情報に該当します。
一次情報と違って分かりやすく編集されている上に他人が自分の元まで届けてくれるので手に入れやすいというメリットがあります。
その代わり、分かりやすく説明するために情報を簡略化して正確性が犠牲になっていたり編集者やマスコミの主観が入り、元の情報が恣意的に歪められていることがあります。
そのため、情報としての価値はやや低いものとなります。
三次情報(信憑性が無く役に立たない)
三次情報とは二次情報を加工したり、二次情報を見た人が意見や見解を述べたものです。
例えば、ネット上のまとめ記事やSNSでシェア・拡散されている情報のことです。
これは二次情報がさらに人の手を介して拡散された情報であるため、まるで伝言ゲームのように元となった情報がかなり歪められている可能性があります。
出所となった情報源すら不明であることも多く、その情報に対する責任を誰も負っていない為、信憑性は皆無です。
投資家が集めるべき情報は一時情報のみ
大前提として、収集するべき情報とは「他人によって歪められていないこと」です。
したがって結論から言うと、投資家が収集すべき情報は「一次情報」のみです。
三次情報はもちろんのこと、二次情報すら見る価値がありません。
人はお金が絡むと情報をどうとでも捻じ曲げる生き物です。
投資とはまさにお金が絡む取引ですから、それに関する情報は発信者の思惑や立場によっていくらでも編集されてしまう恐れがあるのです。
例えば、証券会社が自社の製品のデメリットを隠した上で広告・販売しているだとか、有名インフルエンサーが自分の持ち株を高く売るためにSNSで買いを煽るなどというのは日常茶飯事です。
マスコミも報道する内容は自社で選別していますし、編集する際に都合の悪いことは隠した上で発表することがあります。
このように、人の手を介して手に入る情報は信用性に欠ける為、二次情報や三次情報は投資判断をするための情報としては不適当です。
集めるべき一次情報とは
では、投資家は具体的にどういった情報を集めるべきでしょうか。
それは公共機関が公表する資料です。
具体的には、東証が発表する有価証券報告書や金融庁などの資料です。
これらの機関は公共性が高く、発表する情報に対しては相当の責任を負っているため、情報の正確さや信頼性は高いと言えます。
また、投資界で何かしらのニュースがあった場合は、これらの機関が第一に発表しますので、情報の新鮮さという点でも優れています。
東証は公共性が高い一般事業法人です。
上場している企業の有価証券報告書や適宜開示情報は全て東証でいち早く公表されます。
上記のサイトにアクセスし、調べたい企業のコードを入力すれば、過去に公表された資料も出てきます。
NISAなどの投資制度に関わる資料は金融庁のサイトで見るとよいでしょう。
そもそも投資制度を組んでいるのが金融庁なので、金融庁が公表する内容が一番正確です。
その他、IDECOや年金の資料なら厚生労働省、確定申告のことなら財務省のサイトを参考にするのが良いでしょう。
初心者向けのパンフレットがPDF形式で公開されているので、それらを見るのが分かりやすい上に情報が正確なのでお勧めです。
情報の出所にあたる
以上説明したように、投資家が集めるべきは一次情報です。
一次情報は誰の手垢も付いていないという点で最も情報としての価値が高いからです。
投資をやっていると情報の出所となるところまで遡って調べようとする人はなかなかいませんが、だからこそ誤情報や曖昧な情報に振り回されることがあるのです。
研究者にとっては当たり前のことですが、情報はまず誰が発信しているのかを調べるのが鉄則です。
公的機関や実績のある専門家が投稿している内容なのか、どこにでもいるその辺の人が垂れ流しているデマなのか、その情報には根拠や証拠があるのかないのか。
それらを突き詰めて考えていけば、自ずと一次情報しか収集する価値がないと気づきます。
いちいち自分の手で調べるのは手間ですが、だからこそ、その手間を惜しむ投資家と差をつけることができるのです。
情報収集は慣れの部分が多いので、上記のサイトをブックマークに保存しておき、気になったときはすぐにそれらのサイトを参照する癖をつけておきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません