投資家として身に付けたい癖の話

知識

社会人はそれぞれ従事する職業によって自然と身に付いてしまう癖というものがあります。

例えば、警察官であれば道行く人達の何気ない振る舞いから犯罪者を探し出すでしょうし、医者であれば他人の顔色や訴える症状から何の病気かを無意識に割り出してしまうことがあるでしょう。

こういった癖はその職業に従事する上で身につく特殊スキルと言っていいでしょう。

そして投資家にも自然と身に付いてしまう癖というものがあります。

癖というのは身に付けておくことで、意識せずとも適切な行動をとれるようになるため、有用であるという面があります。

そこで今回は投資家が身に付けておきたい癖の話をしたいと思います。

リターン対リスクを考える

投資家として最も身に付けるべき癖は「リターンとリスクの比較」です。

投資家であればまず何をするにも、それをするリスクと、その結果得られるリターンを天秤にかける癖をつけたいところです。

それをやる価値はあるのか?
自分はどれだけのリスクなら許容できるのか?
自分が背負うリスクに見合うだけのリターンは期待できるか?

何をするにもこういったことを考えてしまうのは、一般人であれば計算高くて嫌味な奴だと思われるでしょうが、投資家としては至極真っ当な癖だと言えます。

実際、投資とは自分が投じる資金に対して見合うだけのリターンがある株かどうかを見極める仕事なのですから、リスク対リターンを考える癖は真っ先に身に付けたいところです。

この癖を身に付けることで、対人関係においても付き合うべき人とそうでない人を見極めるようになるので、自然と人間関係上のトラブルに巻き込まれることが少なくなるというメリットもあります。

コストパフォーマンス重視

次に身に付けたい癖は「効率の良し悪しを考える」ことです。

俗にコストパフォーマンス(略してコスパ)とも言われますが、要は「それをするための労力や費用」と「その結果得られる成果」が見合っているかどうかを考えることです。

例えば、隣町のスーパーだと最寄りのスーパーより卵が30円安く買えるとき、その卵を買いに行くためにかかる時間やガソリン代と30円を比較して、多少割高でも最寄りのスーパーで買うことです。

あるいは自動車を利用する際、自分が車に乗る頻度やいつまで乗り続けるのかを考えて、購入費と維持費を検討した結果、車を購入するのではなくレンタカーやカーシェアリングを利用するといったことです。

コスパと言うとケチ臭い奴だと思われるかもしれませんが、投資家の仕事は「自分の利得を最大化すること」なのですから、こういった思考回路も至極真っ当であり、投資家として身に付けるべき思考癖であると言えます。

ネットやマスコミを信用しない

投資家であるならば、ネットやマスコミに対して一線を引いた考えを持つ癖を身に付けるべきです。。

現代社会ではニュースを鵜吞みにしているとあっという間に情弱(※情報弱者)に成り下がってしまう恐れがあるからです。

投資の仕事は情報精査が命であり、誤情報に踊らされることがあってはなりません。

間違った情報からは間違った判断しか生まれないのですから、入手した情報がどれほど正確なのかを確かめる癖をつけたいところです。

誰が言ったことなのか?
何の根拠があるのか?
情報の出所はどこなのか?

こういった視点から情報の正確さを吟味し、少しでも怪しい情報は無視するほうが良いでしょう。

そして、こういった視点で物事を見る癖をつけると、自然とネットニュースやマスコミの報道には耳を貸さなくなります。

ネットニュースやマスコミの報道などは二次情報と言われ、編集者の思惑や主観が入り込む余地があり、情報の精度が低いからです。

そのため、投資家ならばテレビや新聞を読むのではなく、自分で統計情報や有価証券報告書に目を通す癖をつけましょう。

投資家的な金銭感覚

投資家であるならば金銭感覚も一般人とは異なったものになるでしょう。

例えばボーナスが50万円入ったとき、一般人であれば

「欲しかったあれを買おう」
「ローンの返済に回そう」

など、50万円を如何に使い切るかを考えるでしょう。

しかし、投資家であればまず「いくら貯金に回すか」を考え、次にローンなどの「必要な支払い額」を差し引き、その後「いくら投資資金に回すか」を考え、最後に残った金額で「欲しかったものを買うかどうか」を検討します。

人によって優先順位は少し違うかもしれませんが、投資家なら「自分が欲しいもの」につぎ込むお金は二の次であり、まず真っ先に貯蓄や投資資金をどれだけ確保できるのかを最優先に考える癖を身に付けたいところです。

なぜなら、投資とはお金がお金を生むものであり、資金量が多ければ多いほどたくさんのお金を稼げるようになるからです。

そのため、投資元本を増やすことは投資家にとっての最優先事項であり、目先の最新家電や高級酒は後回しにする癖を身に付けることが大切です。

投資家にとっては資金量こそが強さなのですから、その資金量を増やすチャンスをみすみす逃すことのないようにしましょう。

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