投資家が集中力を維持する方法について

知識

投資という仕事には高い集中力が求められます。

自分の判断一つで数百万円から数千万単位のお金が動くのですから、それは当然のことと言えるでしょう。

集中力を欠いて判断ミスをしたばかりに数百万円損してしまったというのは、投資家界隈では日常茶飯事です。

そのため、投資家にとって「自分の集中力をいかに高く保つか」は重要な問題であると言えます。

そこで今回は集中力を高く保つために有用とされている方法を調べました。

これらを生活の中に取り込むことで、判断ミスや作業効率の低下を防ぐようにしましょう。

ポモドーロ・テクニック

ポモドーロ(イタリア語で「トマト」という意味)

集中力を保つための方法として、最も有効とされる方法が

ポモドーロ・テクニック

です。

ポモドーロ・テクニックとは、イタリア人のシリロが集中力と生産性を高く保つために考案した時間管理術のことで、今では多くの人からその有用性が認められています。

ポモドーロ・テクニックとは、具体的に言うと以下の手順に従って自分が決めた仕事をこなしていくことです。

ポモドーロ・テクニック
  1. 自分がやるべき仕事(タスク)を書き出し、優先度の高いものから順に並べる
  2. 25分のタイマーを設定する
  3. タイマーが鳴るまでの25分間、最優先の作業一つに取り組む
  4. タイマーが鳴ったら5分間の休憩を取り、休憩を取り終わったらまた25分間の作業を始める
  5. 2~4の作業を4回繰り返したら、少し長め(15~30分)の休憩を取る

このように、25分の作業+5分の休憩(これを1ポモドーロとする)を繰り返し、4ポモドーロこなしたら長めの休憩を取ることがポモドーロ・テクニックです。

短時間で作業を集中的に行うことで生産性を高めつつ、短い休憩を頻繁に挟むことによって集中力が落ちてしまうのを防ぐのが狙いです。

人間にとって長時間集中するのは大変なことですが、ポモドーロ・テクニックではこまめに休憩をはさむため集中力の高い状態が一日の中で断続的に増加し、それが結果的に生産性の向上に寄与するというわけです。

このテクニックのコツと注意点が3つあります。

ポモドーロ・テクニックの注意点
  1. 時間管理を厳守する
  2. 1ポモドーロにつき1タスクしかやらない(マルチタスクはしない)
  3. タスクを細分化してリストとしてまとめる

まず守ってもらいたいのが、時間管理を厳守することです。

作業が途中であってもタイマーが鳴ったら必ず作業を中断して休憩を取りましょう

作業を途中で止めるのはもどかしいかもしれませんが、そのまま続けてしまうと惰性につながり、その作業が終わった後に反動で長時間休んだり、そのままだらけたりする結果へとつながります。

休憩抜きで作業を続行したいときもあるかもしれませんが、どの道5分後にはまた作業を再開することになるのですから、タイマー通りに休憩しましょう。

休憩時間中は一度立ち上がって伸びをするのがおすすめです。

座りっぱなしだと集中力的にも健康的にも悪いので、一度立ち上がって伸びをすることで体の鈍りをリセットしましょう。

同様に、タイマーが鳴ったら休憩途中でも作業を始めましょう

休憩が中断されるのはもどかしいかもしれませんが、タイマーを無視して作業開始しなかった場合、そのまま休憩し続けるという怠け癖につながります。

どうせ25分後にはまた休憩時間がやってくるのですから、今の休憩時間にそこまで執着する必要はありません。タイマーに従って作業を開始しましょう。

次に守ってほしいのは

「作業中は1タスクに集中し、複数のタスクを同時並行でやろうとしない」

ということです。

一気にあれこれ片づけたくなるかもしれませんが、一度の複数のタスクを抱えると脳が集中力を分散させてしまい、集中力と作業効率が落ちてしまいます。

マルチタスクは一見効率的なように思えますが、実は非効率なのです。

優先順位を決めてから一つずつ片づけていくのが遠回りに見えて実は最速です。

最後に守ってほしいのが

「時間がかかりそうな大きいタスクは細かい一つのタスクに細分化する」

ということです。

複数のポモドーロにまたがりそうな大きなタスクは分割し、細かいタスクはいくつかまとめて1ポモドーロ中に片づけるというふうにしましょう。

というのも、タスクが大きすぎるとやる気と集中力が下がってしまう恐れがあるからです。

例えば、「家の掃除をする」というのは大きすぎるタスクであり、1ポモドーロでは片付きそうもありませんし、面倒くさくてやる気にもなりません。

しかしこれが家の掃除ではなく、トイレ掃除、机拭き、ゴミ出しなどいくつかのタスクに分割してみたらどうでしょう。

個々のタスクだけ見れば簡単にこなせそうな気がしてきませんか。

このように、大きくて達成が難しそうなタスクは細かく分割してリスト化することで、やる気の減退による実行力低下と集中力低下を防止する働きがあります。

散歩する

適度な運動は心身をリフレッシュさせる効果があります。

運動習慣がない人にとっては面倒くさいかもしれませんが、そういう人は散歩だけでもかなりの効果があります。

まず外の空気を吸うことによって体中に新鮮な酸素が生き渡ります。

次に座りっぱなしだった体を動かすことによって筋肉がほぐれ血行が良くなります。

PCやスマホを見続けることで酷使されていた眼を休めることもできます。

これにより、鈍っていた体が全体的にほぐれてリフレッシュする効果が期待できるのです。

近所を3分ほど歩いてくるだけでもかなりの効果がありますので、騙されたと思って一度やってみて下さい。

効果が実感できたら、夕食後散歩するなど生活習慣の中に組み込むと良いでしょう。

スマホは視界の外へ置く

作業中はスマホを手の届かないところへ置いておきましょう

現代社会においてスマホは集中力の大敵です。

暇さえあれば四六時中スマホを触っている人が大勢いることやスマホ中毒という言葉があることを思えば、その理由も分かるでしょう。

実はスマホを触っている間、人間の脳はドーパミンという物質が大量に分泌されて一種の中毒状態になっています。

加えて、スマホなどのデジタル機器は長時間見続けることによって脳の血流を低下させ、脳機能を麻痺させる効果があります。

長時間スマホを触った後に頭がぼーっとする感覚を覚えた人がいるかもしれませんが、それは脳が麻痺している証拠なのです。

その結果、スマホを止めて作業に集中するべきなのにスマホを触り続けてしまい作業が捗らないという事態に陥ります。

それを防ぐためには、物理的にスマホを手の届かないところへ置いておくことが大切です。

スマホはたとえ使っていなくても、手の届く範囲にあるだけで集中力を低下させる効果があるため、物理的に手が届かず、視界にも入らないように遠ざけておきましょう。

デジタル機器より紙の本を使う

前項でも説明しましたが、スマホなどのデジタル機器は長時間使うと脳の血流を低下させ、脳機能を麻痺させる効果があります。

現代社会ではスマホやPCが大変便利に使われていますが、そればかりに頼るのは危険ということです。

もちろん便利なものは便利に使っていくべきですが、情報収集や投資の勉強には紙の本を使ってみるのはどうでしょうか。

スマホやタブレットと違って本はバックライトで字を照らす仕組みではないので、目に優しく長時間の読書に適していると言えます。

また、充電やダウンロードエラー等の心配も不要であるため、デジタル全盛のこの時代でも

紙の本というのは案外優秀な媒体なのです。

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