どんな人が投資家に向いているのか?

知識

人間には向き不向きがあります。

生まれも育ちも違うのですから、それぞれ得意不得意があるのは当然のことです。

大切なのは自分に向いていることが何なのかを把握し、自分に合った仕事をすることです。

合わないことをやっても辛い思いをする割には大した成果につながらないものなのです。

そこで今回は投資家に向いている人の特徴をあげてみたいと思います。

これを読むことで自分にどれだけ投資家としての適性があるか参考になるでしょう。

とはいえ、これから挙げる特徴に合致していなかったからと言って投資家に向いてないとか、投資家にならないほうが良いというわけではありません。

というのも、投資家として必要とされる能力や性格のほとんどは後天的に身に付けるものだからです。

生まれた時から投資家にピッタリな人はほとんどいませんので、もしこれから挙げる特徴を持っていなかったとしても、これから身に付ければいいんだと思って気楽に読んでください。

自分で調べるのが好き

投資家になると情報収集がメイン業務の一つとなります。

投資判断をするためにはたくさんの企業の情報を集めて分析することが必須となるからです。

その際、テレビや新聞などで報道されている内容や他人が言っていることではなく、自分で情報元に当たってみることが重要となります。

なぜなら、他人が知らせてくる内容は恣意的に歪められていたり主観が入っているので、情報としての正確さに欠けるからです。

要は他人の言うことは安易に信用せず、自分の目で確かめるまでは気が済まない性分の人の方が投資家に向いているということです。

実際、投資界隈ではデマや嘘が当たり前のように飛び交っています。

自分が買い集めた株を高く売りさばきたいからという理由で推奨銘柄として宣伝する人や、注目を浴びたいがために嘘やデマを平気で流す人は数多くいます。

それを鵜呑みにして投資した結果、全財産を失って恨みつらみをSNSに垂れ流している人は珍しくありません。

自分で調べるのは多少手間ですが、その手間を惜しまない人が正確な情報を入手できるということを思えばさほど苦にはならないはずですし、どの道そういう人でなければ投資の世界で生き残っていくことはできません。

計算がさほど苦ではない

数字に強い人は投資にも強い傾向があります

投資家であれば財務諸表を分析することが求められるからです。

また、投資のリスクとリターンを見積もるときにも数値計算が必要となります。

もちろん大学の数学科でやるようなガチガチの解析学や統計学が必要というわけではなく、高校で履修する程度の数学的知識と計算能力があれば十分です。

また、理系じゃないからといって投資を敬遠する人もいるかもしれませんが、投資で求められる計算能力というのはせいぜい四則計算ができることや、割合・比率計算の式が立てられるくらいで十分なので、文系だからと言って投資を避ける必要はありません。

実際、投資をするときに必要となる計算は今や全てエクセルや計算機がやってくれるので心配する必要はありません。

大事なのはそういった計算処理に対して苦手意識や嫌悪感がないことです。

もちろん、いくら機械が計算してくれるからと言っても、そこに式や数字を入力するのは投資家自身なのですから、数字を見るだけで気分が悪くなるような数学アレルギーには務まらない仕事ですので、多少の苦手意識はなんとか克服していきましょう。

合理主義者である

なぜ多くの人が投資で失敗するのかを一言に集約するならば「合理主義ではない人が多いから」ということになるでしょう。

実際、投資というのは人間の感覚と相反することが多いため、意識的に損得を計算する癖を身に付けなければならない点が多くあります。

例えば、人間の行動や思考には不合理なところがあることがプロスペクト理論によって明らかになっています。

プロスペクト理論

人間の意思決定は感情や感覚により歪んでおり、数学的な合理性に合わない選択をしがちであるという理論

例として宝くじをあげましょう。

日本で有名な年末ジャンボ宝くじは1等の当選金額7億円に対して当選確率はなんと0.000005%です。

これは自分に落雷が直撃する確率や、400kgの米俵から特定の一粒を一発で探し当てる確率に等しく、実質的にあり得ないと言えます。

しかしながら毎年宝くじ売り場に行列ができることを思えば、それだけ多くの人が不合理なことをしていることが分かるでしょう。

合理主義者であれば、一つ一つの事象についてリスクとリターンを計算して自分にとって利があると思ったことだけを実行することができます。

しかし、投資をなんとなく感覚だけでやろうとすると、罠にはまって損することがあります。

そのため、合理主義者である方が投資家には向いていると言えます。

なお、こういった人間の不合理性について知りたければ、前述したプロスペクト理論を調べると良いでしょう。

お金に対して嫌悪感がない

日本には清貧の考え方が一部に浸透しているようで、お金に関わる話に嫌悪感を抱く人たちがいるそうです。

曰く、

「お金儲けのことを考えるのは卑しい」
「お金は汚いもの」
「お金持ちは何か悪いことをしているに違いない」

というわけです。

お金というのは取引に使われる法定通貨に過ぎず、それ以上でもそれ以下でもありません。

ゆえに、お金を汚いとか綺麗だと言う方がおかしいのですが、なぜかそういった思想があるようです。

投資とは言うまでもなくお金を扱う仕事です。

投資家はお金を使ってお金を稼ぐのですから、仕事の全てがお金に関わると言っても過言ではありません。

そのためお金に嫌悪感があると、投資家としての仕事全てに嫌悪感を抱くことになり、仕事としてままなりません。

現在の社会はお金によって経済が回り、経済が回ることによって社会システムを維持している事実があるため、お金を嫌うのは社会を否定することにも繋がりかねません。

ここではっきり言っておかなければなりませんが、お金を欲する気持ちは悪ではなく善です。

みんなお金を欲しいからこそ働いたり、新しい技術を開発したりして、結果的に社会が維持・発展していくからです。

また、投資の世界では「全ての人が(程度には差があれど)みんなお金を欲している」という前提であらゆる理論や仕組みが組まれているので、お金に対する嫌悪感など百害あって一利無しです。

一人で勉強したり作業したりするのが好き

投資家の仕事は孤独との戦いになりがちです。

前述しましたが、投資に関わる情報は他人ではなく自分の目で吟味することが必要となるため、基本的に他人の言うことは信用せず自分一人で情報を調べる必要があります。

また、収集した情報を分析して投資判断を下さなければなりませんが、それも他人が自分の代わりにやってくれるわけではないため、やはり自分一人で検討して判断を下す必要があります。

投資がうまくいかなかったとき、他人に愚痴ってストレス解消したくなることもあるかもしれません。

しかし、投資判断を下したのは自分自身なのだから、結局は「なぜ上手くいかなかったのか」を自分なりに突き詰めて考えて自分で責任を取っていくしかありません。

このように、投資家の仕事は基本的に一人で行うものであり、他人と協力して進めるようなタイプの仕事ではありません。

どちらかというと一人で黙々と作業をこなすタイプの方が投資家には向いていると言えるでしょう。

そのため、いわゆるコミュ障の人は社会不適合者と言われて社会から爪弾きにされがちですが、投資家としては素養があると言えるでしょう。

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