[役に立つことを勉強しよう] 投資家が勉強するべきことと勉強しなくてもいいことについて

知識

投資家には勉強しなければならないことがたくさんあります。

例えば、財務諸表を分析するためには会計学の勉強が必要ですし、確定申告のためには税金の勉強が必要です。

企業の業績や経営状況を分析するためには会計学の他にも経済学や経営学、統計学も勉強する必要があるでしょう。

さらに詳細な分析をするためには、解析学の他、あらゆる地域の経済や政治状況についても目を通す必要があります。

こう考えてみると、投資家は勉強するべきことが無限に存在し、一生勉強することがなくならないように思えます。

そのため、結局何から勉強すればいいか分からずに途方に暮れる人も少なくないようです。

しかし、必ずしもこれら全てを勉強しなければ儲けることができないというわけではありません。

確かに生涯学習の精神は大切ですが、勉強すればするほど正比例で儲かるわけではありません

勉強するべきことが無限にあったとしても、時間は有限である以上、あれもこれもと手を出せばどれもこれも中途半端に終わるのは目に見えています。

ですから言い方は悪いですが、どこかで勉強するべきこととしなくてもいいことの線引きをする必要があります

そこで今回は勉強した方がいいことと、勉強しなくてもいいことについて解説します。

もちろん、ガッツのある人は全て勉強してくれても構いませんが、私を含むそうでない人にとっては的を絞って勉強するための参考になると思います。

勉強した方が良いこと

財務諸表の読み方

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つを合わせて「財務諸表」と言います。

投資家であれば、これらの書類は自力で読みこなせるようになった方が良いでしょう。

これらは企業情報を丸裸にする書類であり、目利きの投資家たちはこれらの書類を見て投資をしています。

損益計算書を見れば業績が良いのかどうか、

貸借対照表を見れば財務状況が健全かどうか、

キャッシュフロー計算書を見れば資金繰りが正常かどうか

がそれぞれ分かります。

他人が分かりやすく解説したものを読めばいいと思う人もいるかもしれませんが、それでは一手遅れを取ることになります。

英語が読めないと最新技術についていけないように、財務諸表を読めないと最新の投資トレンドについていけなくなります。

財務諸表を読めるようになると粉飾決算にも気づけるようになり、悪質な株を買って損することもなくなります。

会計学、特に財務諸表の読み方については、勉強しておいて損はないと言えます。

確定申告の仕方

投資家にとって確定申告は避けては通れない道です。

株での所得があるのに黙っていると脱税扱いとなり、後で追徴課税を受ける羽目になります

株の所得なんて申告しなければ個人だしバレないと思っている人もいるかもしれませんが、税務署には全て筒抜けです。

他に優先して捕まえるべき人がいるから後回しになっているだけで、いずれ摘発を受けることになります。

税務署は申請ミスにはあまりうるさくないですが、未申告には厳しい対応を取ります。

確定申告はどうせ毎年必ずやらなければならないことですので、早めに勉強してしまった方が得なのです。

特に株で損失を出してしまった年は、「損出し」と呼ばれる方法によって、翌年の課税額を減らす節税テクニックがあります。

その他にも、知っていれば税金を安くするテクニックはありますので先に勉強しておくほど何度も恩恵を得られるチャンスが回ってきますので、早めの勉強をお勧めします。

自分が納得した1つの投資法

投資家なら様々な投資法に目を通すことがあるかと思います。

例えば、割安株投資、インデックス投資、IPOセカンダリ、仕手株投資、空売り、決算銘柄投資、テーマ株などです。

もちろん色々勉強するのは良いことですが、最終的にはどれか一つの投資法に絞って極めていく必要があります

万能な投資法は無いので、一つに絞るよりもたくさんの投資法を使えるようにした方がよさそうに思えますが、それは罠です。

やってみれば分かりますが、あれこれ投資法を使いこなそうとすると、結局どれもこれもが中途半端な結果に終わってしまいます

ケーキとカレーを合わせても美味しくならないのと同様、良さそうな手法をあれこれ組み合わせてもいい結果につながるとは限らないのです。

最終的には自分が納得のいく手法を一つに絞り、それのみを極めていく方がずっと効率よく儲けられるようになります。

そのため、自分の性に合った投資法を見つけ、それのみに没頭しましょう。

確率・統計学

投資のように、不特定多数の結果を相手にしなければならないとき、確率・統計学は大きな力を発揮します。

投資で安定的に稼いでいる人は、確率論を熟知している人が多いです。

なぜなら、投資には少なからずギャンブルの要素がありますが、ギャンブルを攻略するため唯一の方法が確率計算にあるからです。

よく「投資はギャンブルだ」という人がいますが、そのギャンブルで勝ちまくっている人は確率を武器にしているのです。

投資のような不確実なものから確実に利益を得るための秘訣は確率を勉強することにあります。

投資と確率の関係については、過去に解説した記事があるので、興味があれば一読下さい。

勉強しなくてもいいこと

税法

勉強した方が良いけれど、優先的に勉強しなくても良いのが税法です。

というのも、投資家にとって最優先事項は利益を出すことであって、利益にどう課税されるかは二の次だからです。

そもそも利益を出せなければ課税されることがないのですから、利益を出すための勉強を優先するべきであって、課税という利益が出た後に行われることの勉強はその後です。

駆け出しの投資家であれば、株で得た利益の約20%が課税対象ということだけ覚えておけばとりあえず何とかなります。

それに最近は所得を入力するだけで、自動で課税額を計算してくれるシステムもありますので、税法を知り尽くしていなければ投資ができないというわけではありません。

税金の勉強をする時間があれば、会計学や企業分析のために時間を使う方が有益でしょう。

聞いたこともない投資法

やる必要はないけれど、誰もが一度はやりがちなのが

「聞いたこともない手法も含めてあらゆる投資法を調べまくること」

です。

いわゆる聖杯探しというやつです。

特に、自分がやっている手法がうまくいかないとき、他の人のやり方が気になって調べまくるというのはよくあることです。

投資家であれば誰もが一度は通る道ですが、やる必要性は皆無です。

もちろん投資のやり方は人それぞれですが、投資で勝っている人というのは一貫して同じ手法を極めた人がほとんどです。

あれこれ手を出しても中途半端になるのがオチだと分かっているのです。

いろんな投資手法を調べるよりも、自分が気に入った投資法を一つ見つけてそれを極めることに集中しましょう。

経営学

投資家は会社のオーナーであって、会社の経営者ではありません。

投資家が見るべきは企業の成績表である財務諸表であって、どうすれば業績がよくなるのかを勉強するのは経営者の仕事です。

したがって経営学を勉強する意味はあまりありません。

まとめ

以上、投資家が勉強するべきことと、勉強しなくてもいいことを説明しました。

もちろん余裕のある人は全て勉強した方がいいですが、人生は短く有限です。

あれもこれもと欲張っても全て中途半端になってしまうのは目に見えています。

だからこそ、自分に必要なものに絞ってから一つ一つ身に付けていきましょう。

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