[個人談] バフェットを盲信するのを辞めた理由

経験談・教訓

投資の世界で最も有名な人と言えばウォーレン・バフェットでしょう。

投資の本場であるアメリカ史上最高の投資家であり、保有資産は9兆円を超えています。

毎年長者番付で一二を争う大富豪で、全ての投資家にとって神様のような存在です。

そういうわけで、投資家であれば誰もが一度はバフェットに憧れ、バフェットの投資手法を真似してみるものです。

私自身、投資を始めた頃はバフェットに憧れていましたし、バフェットと同じような投資をしようとしていました。

しかし何年も投資を続けていく中で、あまりバフェットのことを神格化して考えるのは止めようと思うようになりました。

そこで今回は私がバフェットを盲信するのを辞めた理由について説明したいと思います。

バフェットを盲信しなくなった理由

「最も儲けた=最も正しい」というわけではないから

なぜ多くの人がバフェットを尊敬するのかと言えば、それはもちろん世界一お金持ちの投資家だからでしょう。

投資の世界は資金量がモノを言う世界です。

色々言っても結局は「いくら儲けたの?」という一言に集約されますので、儲けたもん勝ちというわけです。

そういうわけで、一番お金持ちの投資家であるバフェットは投資の世界で最も発言力を持っており、投資の神様と呼ばれるほど神格化されています。

とはいえ、バフェットのやり方を真似したからと言ってバフェットと同じだけ稼げるかと言われたら、答えは「NO」です。

バフェットにはバフェットなりの考えや信念体系がありますし、住んでいる国や生きてきた時代が違います。

私達も一人一人が別の人格を持ち、生まれも育ちも性格も違います。

それらの違いがあるのに、ただやり方だけ真似しても同じ結果が得られるはずがありません。

投資法だけ真似ようとしても、根っこの部分で思想が違えば、どこかで手法に違いが生まれてしまうからです。

つまり、最も儲けたやり方を真似することが最も正しいやり方とは限らないということです。

大事なのは自分の考えや性格に合っているかという点であり、他の人のやり方を真似することではないからです。

そう考えてみると、バフェットが世界一の大富豪だからといって神格化して考えるのは違うような気がするのです。

割安株という考え方が合わないから

バフェットの投資手法を一言で説明するなら、

「本来の価値から見て安く評価されている株を長期保有すること」

です。

いわゆる割安株投資で、ファンダメンタル投資の師匠であるグレアムから習った手法です。

ただ、個人的にこの「割安」という概念が受け入れられず、考え方が合わないなと感じました。

というのも、割安というのはPERが低いこととか、業績から見て株価が低くなっていることだと思われますが、そういった株のほとんどは割安なのではなく、ただの安物である場合が多いのです。

割安株投資という言葉を聞いて真似しても、大抵は安物買いの銭失いになるのがオチです。

また、割安株投資は「割安な株を購入して、それを長期保有することでいつの日かその正当な評価をされる日を待つ」という投資法ですが、このいつ来る分からない「いつの日か」を待つというのも性に合わない気がします。

バフェットは買った株を永遠に持ち続けたいという超長期投資家なので、いつまでも待ち続けられるのでしょうが、私含む大勢の人は「いつか」ではなく、できるだけ早めに資産形成したいと考えています。

実際、お年寄りになってからお金持ちになってもあまり嬉しくないという人がほとんどではないでしょうか。

例えばの話ですが、65歳過ぎて年金受給者になってから3億円もらうより、30歳のときに1億円もらうほうが嬉しいと思いませんか。

実際、バフェットの総資産の9割は60歳以降に築いたものです。

すなわち、いつまでも待ち続けられるつもりなら割安株投資には相当の優位性がありますが、早めにお金持ちになりたい人にとってはあまり有用ではないということです。

こういった思想の違いは投資方法の違いにも反映されます。

自分に合う投資法を見つけたから

投資法は自分に合っているかどうかが一番大事であり、他人のことは関係がないという話をしました。

だからこそ、自分になっている投資法が見つかるまで色々な投資法を探し、他人を真似してみたり、自分なりに考えてみたりするわけです。

その一環として、まずは世界一の投資家であるバフェットのやり方を真似し、他の投資家のやり方も色々と試してみました。

そういった経験を経て、私は自分に合っている投資法を見つけました。

それは「成長株投資」です。

成長株投資とは、本質価値から見て割安な株ではなく、業績を伸ばして今まさに成長期にある株を買うことです。

確かにバフェットは割安株投資で世界一の大富豪になりましたが、私は別のやり方でお金持ちを目指すと決めたのです。

その方が、いつ上がるかも分からない割安株を買って、上がるであろう「いつか」を待つより性に合うと思ったからです。

成長株投資は割安な株ではなく、多少割高でも成長途上にある株を買います。

つまり、バフェットのやり方とは思想的に相反するものです。

そのため、バフェットを盲信していては、この手法は実行困難です。

様々な投資法を試し経験を積んだ結果、バフェットの思想や投資法とは決別する覚悟ができました。

私は彼と同じやり方で資産を築くことはできないと悟ったのです。

まとめ

繰り返しになりますが、投資法は自分に合っているかどうかが一番大事です。

世界一の投資家がやっている方法が、必ずしも世界一のやり方であるとは限りませんし、それが自分に合っているかどうかも分かりません。

バフェットは確かに世界一の投資家ですが、自分にとって世界一の投資家はまた別なのかもしれないのです。

そう考えてみると、あまりバフェットのことを神格化して考えるのは良くないなと思った次第です。