[最強のテクニカル指標] 200日移動平均線で買うべき株を見極めよう

投資方法

投資手法には大きく分けてファンダメンタル投資とテクニカル投資の2種類があります。

前者は主に財務諸表から企業の価値を考えるのに対し、後者はチャートから値動きのパターン、引いては投資家達の売買動向を見抜くことを目的とします。

株式投資はファンダメンタルを重視するのが一般的であり、チャートなんて見ても意味がないと考える人もいますが、そういった人にも見てもらいたいテクニカル指標があります。

それが「200日移動平均線」です。

今回は、「なぜ200日移動平均線が最強のテクニカル指標なのか」を説明し、それを投資にどう活かせば良いのかについて説明したいと思います。

移動平均線とは

移動平均線とは、一定期間の終値を平均し、それを線で繋いだものです。

英語では「Moving Average」というので、略してMAという表記をされることがあります。

例えば、5日間の株価の平均値を線で繋げば5MAですし、200日間の株価の平均値を線で繋げば200MAとなります。

では、なぜ200日移動平均線が最強のテクニカル指標だと言えるのか、その理由について説明したと思います。

200日移動平均線が最強のテクニカル指標である理由

1年間の売買の最終結果を示すものだから

200日というのは土日祝日等の株式市場が休みの日を除いた1年間の日数を表しています。

つまり、200日移動平均線というのは、投資家達が1年間その株を売買した結果いくらに落ち着いたのを表しています。

株というのは日々株価が上がったり下がったりしていて、今の株価が安値圏にあるのか高値圏にあるのかが分かりにくいことがありますが、200日移動平均線を見れば、1年間を通して見たときの現在の株価がどのくらいの位置にあるのかが把握できます。

大口投資家の売買動向を示すから

株価を動かしているのは、大量の資金を持っている機関投資家と呼ばれる大口の投資家達です。

彼らは大量に株を買ったり売ったりするので、株価は主に彼らの売買によって上昇したり下落したりするのです。

つまり、株価の値上がりと値下がりを読むには、彼らの売買動向を知ることが一番手っ取り早いということになります。

そしてそれを見るのに丁度良いのが200日移動平均線というわけです。

機関投資家たちは大量に株を買う必要がありますが、数日では望んだ株数を買い集めることができません。

短期間で一気に買ってしまえば、自分達の買いのせいで株価が釣り上がってしまうからです。

当然、期間を開けてから少しずつ買うことになります。

また、相場には買ったかと思えばすぐに売るような人もいて、トレンドを見る上ではノイズでしかない売買もあります。

そのため、例えば5日移動平均線などでは機関投資家の売買動向が見えづらい事が多いです。

しかし200日移動平均線を見れば、年間を通じて株を買い集めた人と株を売り払った人の平均値を見ることになるため、短期で投機的な売買を繰り返す人ではなく、長期的に大きなポジションを取ろうとしている大口の投資家の動向を見ることができるのです。

誤差が少ない

一般的に移動平均線は期間が短いものほど誤差が多くなります。

これは単純に「平均を取るためのサンプル数が少ないと誤差が出やすい」という数学上の理由からです。

例えば、資金量がそこそこある投資家であれば、1日だけだったら株価を思い通りに動かせるでしょう。

実際、ふるい落としの為にわざと大量の売り注文を出し、損切り注文を出させてから買い上がっていくというのはよくある手口です。

そのため、期間が短い移動平均線は誤差が多く信頼性にかける傾向があります。

その点、200日移動平均線はサンプル数が200個もあるため誤差が出にくいのです。

短期的には株価を思い通りに動かせたとしても、年単位で株価を思い通りに動かせる投資家はいないからです。

200日移動平均線の使い方

では、200日移動平均線を投資にどう活かせば良いのか。

これは単純で、次のルールに従えば良いのです。

「200日移動平均線が上向きの株を買い、そうでない株は買わない。買った株が200日移動平均線を下回ったら売る」

なぜそういうルールが出来上がるのか。

それは200日移動平均線が機関投資家の売買動向を示しているからです。

200日移動平均線が上向きということは、年間を通じて株を買い集めている人がいるということです。

そして、年単位で株を買い集めるのは一気に株を買えない大口の投資家の売買である可能性が高いのです。

彼らは一度に大量の株を買えないため、欲しい株は少しずつ買い集めるのです。

逆に、200日移動平均線が下向きということは、全体的にその株を売り払ってしまいたい人の方が多いということです。

つまり、今後も引き続き値下がりを続ける可能性が高く、買う価値がないことを意味しています。

まとめ

今回の話を聞いて「なんだそんな単純な話かよ」と思った人もいるかも知れません。

しかし、株の世界では単純な理屈ほど有効であるため、今回の話を機に200日移動平均線をチェックする習慣をつけましょう。