投資信託を買った方がいい人と買わない方が良い人
株に興味のない人でも投資信託という言葉を聞いたことがある人はいるのではないでしょうか。
投資信託とは、一言で言えば
「たくさんの人からお金を集めて一つの大きな資金としてまとめ、それを運用責任者(ファンドマネージャー)が投資して得られた利益を資金提供者に分配する商品」
です。
要は自分の代わりにファンドマネージャーという投資の専門家が投資をし、その利益を分配してくれるというものです。
投資の専門家が自分の代わりに資金運用してくれるので、投資のことがあまり分からない人でも投資を始めることができ、管理の手間もかかりません。
そのため多くの人に浸透しているのが投資信託というものです。
今回はこの投資信託の特徴を踏まえた上で、投資信託を買った方が良い人と買わない方が良い人の違いについて説明したいと思います。
投資信託を買った方が良い人
投資の為に時間や労力を割く余裕がない人
投資をしていない人の理由のほとんどは「投資するための時間と労力を確保することができない」というものです。
投資をするためには投資対象を詳細に分析する時間が必要です。
例えば株式投資なら投資対象である企業の損益計算書や貸借対照表に目を通すのは必須の作業です。
その他にもその企業の業績見通しや経営計画書、来期の利益予想などの資料やチャートにも目を通そうと思うと相当の時間がかかってしまいます。
本気で投資をするつもりなら、これを何十社分もやる必要があり、かなりの時間と労力を要します。
そのため、投資をしたいにも関わらずなかなか投資に手が出せない人が大勢います。
投資信託というのはいわばそういった人達の為にある商品です。
あなたの代わりに投資の専門家が投資対象を調査・分析した上で資金を運用してくれます。
もちろん、その分の手数料を差し引かれることになりますが、それでも何もせず資金を寝かしておくよりかはマシなので、投資の為に時間や労力を割く余裕がない人が投資信託を買うのは合理的であると言えます。
投資のことがよく分からない人
投資をしたいけど投資の仕組みがイマイチよく分からないという人もいます。
では、そういった人は投資できないかというとそうではなく、そういった人こそ投資信託を買えばよいのです。
投資信託を買った時点で資金の運用はファンドマネージャーが担うことになるので、投資のことをよく分かっていようが分かっていまいが結果は同じになります。
そのため、投資のことが良く分かっていない人でも労せず多くの人と同じ結果を得られることになります。
投資で大切なのは結果なのですから、誰が運用するかにこだわる意味はありません。
「お金に色は無い」の言葉通り、自分の手で儲けたお金と他人が運用して儲けたお金も差はないのですから、自分で投資できなさそうであれば他人の力を借りても良いのです。
そういう意味で、投資のことがよく分からない人にも投資信託はお勧めです。
安全重視の人
投資にはリスクがつきものです。
投資によって退職金を全て溶かしてしまっただとか、貯金のほとんどを失ってしまったという話は枚挙にいとまがありません。
そのため、投資をする上では安全を第一に考える人は多く、安全な投資への根強いニーズがあります。
厳密に言えば安全な金融商品なんてこの世のどこに無いのですが、強いて言うなら投資信託がそれにあたります。
投資信託はファンドマネージャーが多くの投資対象に資金を分散する形で投資を行っています。
そのため、投資対象の一つが大きく値下がりしたとしても、全体としてみれば小さな損害で済むように計算されています。
もちろん、投資対象の一つ一つは素人があれこれ無作為に買っているわけではなく、ファンドマネージャーが責任をもって選定しているので、ある程度の信頼度があります。
そのため、投資において安全を重視したい人にとって投資信託は悪くない選択肢であると言えます。
投資信託を買わない方が良い人
大きく儲けたい人
投資信託は他人に資金運用を委託する都合上、どうしても手数料を支払う必要があります。
たかが数%でしょと思うかもしれませんが、資金運用において数%というのはとても大きな数字です。
資金の規模にもよりますが、たった数%でも何年間も運用する前提に立てば数百万円の違いとなって表れてきます。
また、投資信託は大勢の人から資金を集めて多額の資金として投資する都合上、どうしても投資対象が大型株に絞られてしまうというデメリットがあります。
急成長する株というのは多くの場合中小企業の株ですが、資金規模の問題により、そういった株への投資機会を見送らざるを得ない場合があるのです。
大企業の株は良くも悪くも株価が安定しているため、大型株への投資しかできない投資信託では大儲けを狙うのは難しいのです。
そのため、投資で大きく儲けたいという人には投資信託では物足りないでしょう。
自力で投資したい人
はっきり言ってしまえば投資信託は他力本願であり、儲けられるかどうかは他人次第です。
そこに自分の判断や投資信念を介入させることはできません。
出来ることがあるとしたら「どの投資信託を買うか」ぐらいですが、買った後はやはり他人任せにならざるを得ません。
そのため投資信託を買った時点で、自分が投資したい株ではなく、他人(=ファンドマネージャー)が投資したい株に投資することになります。
「お金に色は無いので、自分が投資しようが他人が投資しようが労せず儲けられるならそれでもいいじゃないか」というのは正論ですが、そこに手応えや創意工夫はありません。
自分で投資をやっていれば気づくことや儲けのヒントを得られることもあり、投資家として成長することもありますが、投資信託では投資家としての経験値を積むことができません。
投資では何も自力でやる事にこだわる必要はありませんが、他力本願が気に入らない人にとって投資信託は満足いくものにはならないでしょう。
儲けるために時間や労力を注ぐのを厭わない人
前述した通り、投資というのは相当の時間と労力が必要な作業です。
だからこそ、そういったコストを肩代わりしてくれる投資信託という商品があるわけですが、そういった調査作業を自力でやる気概のある人もいるでしょう。
何事もそうですが、自分の目で見て自分の手を動かして実際にやってみなければ、深く学習することは出来ません。
仮に失敗しても、それは経験として自分の中に刻み込まれ、確実に自分の力になっていきます。
そして偉大な投資家の中に、他人任せで大金持ちになった人はいません。
投資で大金を手に入れた人は例外なく、自分で時間や労力をかけて投資を行った人達です。
そういった人達の仲間入りをしたいのならば、投資のために時間や労力を惜しんでいるわけにはいきません。
誰もが忙しいこの世の中で、他の誰でもない自分の時間と労力を削って投資活動をする必要があるのです。
もちろんそれだけやってもうまくいかない可能性はありますが、それでも大儲けしたいという人は投資を他人任せにするわけにはいきません。
そのため、そういった人にとって投資信託は意味がなく、おすすめできません。
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