[危険] 「投資は止めとけ」を鵜呑みにすると大損する理由

金融リテラシー

投資を始めようとすると誰もが「投資は止めとけ」と注意を受けるのが通例となっているようです。

確かに投資にはリスクがつきものであり、人によっては「止めとけ」としか言いようがない場合があるのですが、こういった注意を真に受けてしまうと人生で大損する危険があります。

今回はなぜ投資を始めようとすると「投資は止めとけ」と言われるのか、その理由とそれを真に受けると大損する理由を説明したいと思います。

「投資は止めとけ」を真に受けると大損する理由

日本の経済成長は止まっている

現在の日本は「失われた30年」という言葉もある通り、30年前から経済成長しておらず賃金も横ばいのままになっています。

先日、金融庁が「老後には2000万円の資産が必要」と発表した結果炎上しましたが、これは紛れもない事実です。

炎上させて怒りを金融庁にぶつけたところで、老後の生活には多額の資金を用意しておく必要があるという事実は変わりません。

このような状況下では、労働収入だけで生活を維持するのは困難であると言わざるを得ず、もはや投資無しでは生き残っていけないという実情があります。

現在経済成長し続けているのはアメリカと中国ですが、なぜこれらの国が経済成長しまくっているかというと、投資が活発だからです。

起業したり事業を拡大させるには資金が必要ですが、その資金を誰が出してくれるのかというと投資家です。

銀行から借りたお金は期限付きで返す必要がありますが、投資家から借りたお金は原則として返す必要がありません。

その為、投資家からの出資金であれば多少のリスクを取って事業を運営していくことができ、その結果として事業拡大を進めることができるのです。

このように、経済発展の根幹にあるのは投資家からの出資金であり、投資資金こそが資産形成の素になっているのです。

日本人は投資嫌いとして知られていますが、投資を怠ったがために経済成長が止まっており、給与所得も横ばいのままです。

おそらくその傾向はこれからも続くでしょうから、一生懸命働けば収入も増えていくというのは単なる思い込みでしかないのです。

利益率(r)> 成長率 (g)

21世紀の資本(著:トマ・ピケティ)

トマ・ピケティという経済学者が著書「21世紀の経済学」の中で

r > g

という不等式を明らかにし、世界中で話題になりました。

は労働収入額の上昇率であり、は不動産や株などの資産から得られる収入の上昇率です。

ピケティは世界各国の経済を数百年単位で調べた結果、いつの時代も労働収入より資産収入の上昇率の方が高かったという歴史的事実を突き止めました。

つまり、労働階級よりも資産家の方が収入は高く、経済格差は常に広がり続けてきたし、これからもずっと広がり続けるということを示唆したのです。

あまりに身も蓋もない事実であったため「21世紀の経済学」は半ば炎上するくらいの勢いで話題になりました。

ピケティによれば経済格差が是正されるのはたった一つ、戦争によって資産や経済が破壊されるときだけであり、それ以外の時はずっと経済格差は広がり続けるというのです。

これは推論や意見ではなく、世界各国の歴史を調べた結果判明した事実であるため誰も反論できませんでした。

ピケティが明らかにしたように、労働収入だけでは経済格差から抜け出すことはできず、投資による資産収入を獲得しない限り一生経済状況は改善されないのです。

昔の日本は経済成長真っ只中であり、働けば働くほど収入が増えていくバブル景気に沸いたものですが、それはもはや昔の話であり、今は働けど働けど貧しいままというのが現実なのです。

1億円以上稼ぐのは投資家が大半

年収1億円以上の人の職業(国税庁統計年報より作成)

国税庁が発表した年収1億円以上の人の職業内訳によると、なんと過半数である50%以上がトレーダー・投資家だったのです。

その次に大企業経営者や不動産所有者、作家やミュージシャンなどが続きます。

これを見れば分かる通り、一般的に高給取りと言われる医者やエリート会社員などは実は少数派であり、1億円以上稼ぐのはもっぱら投資家というのがデータとして明らかになっています。

とはいえ、大企業の経営陣にまで出世したり医者やプロ野球選手になるのは非常に大変です。

仮になれたとしても年収1億円以上を達成できるのは一握りの人たちだけで、大半は年収1億円の壁を突破できません。

しかし、投資家であれば誰でもなれる上に年収1億円の達成率が他の職業と比べると断然高いのです。

逆に言えば投資無しで年収1億円以上を達成するのは非常に困難と言わざるを得ません。

例えば医者になろうと思ったら医学部医学科に合格するために膨大な勉強を重ねなければなりません。

仮に合格できたとしても、在学中に数々の単位や実習をこなしていき、最終的には医師国家試験に合格しなければなりません。

それだけの努力をしてやっと医者になれたとしても年収は数百万~数千万円です。

こう考えるといかに年収1億円以上という壁が分厚いかが分かるかと思います。

もちろん投資家になったからと言って年収1億円以上になれるとは限りません。

しかし、あなたが今から医者やプロ野球選手になって1億円稼ぐのと投資で1億円稼ぐか、どちらの可能性が高いかを考えれば後者の方が高いでしょう。

これからは投資をする人が勝つ

給与収入には所属する会社によって限度がありますが、投資による収入は個人の才覚や努力によるところが大きいので、コツを覚えれば青天井で収入が増えていきます。

日本の会社では働いても働いても昇級無しというのが現実ですが、投資は勉強したり工夫したりでいくらでも収入が変動します。

もちろん裏を返せば収入が不安定で損失を被る可能性もあるわけですが、かといって労働収入だけでは低年収のままで安定してしまいます。

そうならないためには、多少のリスクを背負ってでも投資活動をやっていく必要があるのです。