勝ち組投資家の頭の中を解説
株式投資は所詮上がるか下がるかの二択なので、勝ち組と負け組は半々になるはずですが、実はそうはなりません。
実際は1割の投資家が勝ち、9割の投資家が負けると言われています。
では、なぜ投資の世界では勝ち負けがそんなにも偏るのでしょうか。
それは、勝ち組投資家とそうでない投資家では「投資に対する考え方が違うから」です。
考え方の違いが行動の違いを生み、行動の違いが勝ち負けを分けるのです。
そこで今回は勝ち組投資家の頭の中を一般投資家と比較しながら解説します。
これを読むことで自分の投資に対する考え方を振り返るきっかけになればと思います。
勝ち組投資家の考え方
損切りは必要経費
投資において勝ち組と負け組を大きく分ける考え方は損切りに対する考え方でしょう。
勝ち組投資家は損切りを必要経費として受け入れています。
勝ち組投資家にとって損切りとは避けては通れないものであって、これなしには投資することができないと考えているのです。
どんなに優秀な投資家であっても百発百中で当たり銘柄に投資できるわけではありません。
統計を取ったわけではないですが、最も優秀な投資家でも勝率は5割程度です。
実際は3割もあれば十分優秀と言えるでしょう。
その程度の勝率でも勝ち組になれるのは、損切りによって損失額を小さく限定しているからです。
勝率が低くても損失が小さければ、利益がそれを上回ることで黒字になるのです。
文字に起こすと当たり前のように思われるかもしれませんが、この考え方を徹底することができるかどうかが非常に大切なのです。
勝率よりトータルの利益額が大事
損切りの話にもつながりますが、勝ち組投資家は勝率よりも最終的に残る利益の方が大切だと考えています。
例えば勝率が9割だったとしても残りの1割で大損害を被って赤字になってしまえば元も子もないのです。
逆に勝率が3割程度でも、残りの7割による損失額よりも多ければ何の問題もないということです。
「それは極論であって、実際は勝率が高ければ高いほど良いに決まっている」と思う人もいるでしょう。
確かに勝率が高いに越したことはありません。
できることなら全ての投資で利益を上げられるのが理想です。
しかしそんなことは誰にもできません。
どの銘柄がいつ上がるかなんて誰も事前に知ることができないからです。
すなわち、勝率はコントロールできないのです。
したがって、必要以上に勝率を上げようとすること自体がナンセンスであり、勝率を重視したところで個人ではどうすることもできないのです。
それに対し利益額はコントロールすることができます。
どの銘柄が損失を拡大させているのかは把握できるので、損切りによって損失額は小さく限定することができます。
このように、コントロールできないものに注力するのは止めて、コントロールできるものに意識を向けるのが建設的であり、それこそが勝ち組投資家の考え方なのです。
逆に負け組投資家は勝率をコントロールしようとし、損失額をコントロールするのでうまくいかないわけです。
高く買ってさらに高く売る
投資というのは売買時の差額で稼ぐビジネスである以上、利益を得るには買った値段より売った時の値段の方が高くなければなりません。
だから「安く買って高く売ろう」という言葉があるわけですが、勝ち組投資家は必ずしも安く買う必要はないと考えています。
大事なのは買った時より高く売ることであって、買った値段が安いか高いかは問題ではないということです。
そもそも株価には定価がないので、買う時の株価が高いか安いかを考えたところで答えは出ません
だから「安く買おう」という考え方自体が間違っています。
「安く買って高く売る」というのは概念上の話であって、実際の投資の場では役に立たない考え方です。
それでもあえて言うなら「高く買ってもさらに高く売れれば問題ない」というのが正しい考え方です。
そのため、勝ち組投資家は値上がりしつつある株を買うことにためらいがありません。
高くなりつつある株を買っても、さらに高く売れるなら利益になるので買いをためらう理由がないというわけです。
しかし、負け組投資家は「安く買って高く売ろう」と考えているので、
「高くなりつつある株は安くない → 安くない株を買っても高く売れない → 買わない」
となってしまいます。
その結果、せっかくの上昇株に乗り損ねるのです。
そうならないためには、いざとなったら高くても買うと心がけていなければなりません。
一貫性が大事
勝ち組投資家は一貫性を重視し、負け組投資家は臨機応変さを重視します。
勝ち組投資家は必ず事前に投資方針と計画を立てて、その通りに投資することを重視します。
投資方針に合わない株があれば無理に投資しようとせずに切り捨てていきます。
また、よくある間違いに「株によって性格が違うので株ごとに投資方法を変えなければならない」というのがあります。
これは一見正しく聞こえますが、世の中にはたくさんの株があるため、銘柄ごとに対応方法を変えていては中途半端な結果になるのがオチです。
臨機応変と言えば聞こえはいいですが、実際は無計画にその場その時の雰囲気や流れで適当にやっているだけでしかありません。
つまり、ありていに言ってしまえば“熟慮の放棄”であり、規律や計画性が重要な投資活動においては全くそぐわない考え方なのです。
投資で勝つのは事前にしっかりと計画を練ってその通りに行動できる人であることを忘れてはいけません。
ナンピンは最低最悪
最悪の投資法がナンピンです。
ナンピンだけはやってはいけません。
ナンピンとは値下がりした株を買い増すことによって平均取得単価を減らしつつ、値上がりした時の利益を増やそうとする行為です。
例えば1000円で100株買ったものが800円に値下がりしたとします。
現在20%の損失で2万円の損失が出ています。
ここで仮に800円で100株買い増ししたとすると、平均取得金額が900円で200株買ったのと同じになり、損失率は11.1%です。
ここで仮に100円値上がりすればプラスマイナス0に持ち込むことができるし、1000円まで値が戻れば利益が出るというわけです。
こう考えるとなかなか悪くない投資法に思えるかもしれませんが、ナンピンは最悪の投資法です。
平均取得金額が下がることによって損失率が下がるので損失が回避されたように思われますが、それは単なる勘違いです。
損失率が変わろうと2万円の損失が出ていることには変わりありませんし、さらに値下がりした場合の損失は倍になっていることを忘れてはいけません。
一般的に、値下がりした株はさらに値下がりする傾向があるため、値下がりした株を買い増した場合、利益よりも損失を拡大させる可能性が高いことを忘れてはいけません。
大事な情報は少ししかない
投資をするならあれこれ情報を収集しなければならないというのは間違いです。
勝ち組投資家は情報を集めるほど判断が鈍ることが分かっているので、自分が大事だと思う情報だけに絞って、それ以外の情報は切り捨てています。
情報をたくさん集めると「ある情報によればA社の株は買いだが、別の情報によればA社の株は売り」というように互いに矛盾する情報が出てきてしまいます。
これでは投資の判断をするのが難しくなるだけであり、かえって逆効果です。
投資判断は単純明快であるほど効果的であるため、たくさんの情報や判断基準を設けるのは無意味なのです。
勝ち組投資家になるためには
勝ち組投資家になるためには、負け組と逆の考え方をすればいいのです。
今回説明したことをまとめると以下の通りになります。
- 損切りを徹底する
- 勝率よりもトータルの利益額を重視する
- 高くても買う、安くても売る(「安く買って高く売れ」という言葉に縛られない)
- 臨機応変ではなく、一貫性を重視する
- ナンピンは絶対にしない
- たくさんの情報を集めるよりも、少数の情報を重視する
こういった考え方は聞いてみればなるほどと思いますが、実際にやってみるとなると難しいところがあります。
しかし、勝ち組投資家にとってはどれも当たり前のことなので、少しずつこういった考え方を受け入れていきましょう。
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