[結論有り] 順張りと逆張り、どっちが良い?

投資方法

投資家の間では順張りと逆張りのどちらが良いかについて昔から議論され続けてきました。

大抵の議論では「人それぞれ」という言葉でお茶を濁されてしまいがちですが、私の中ではどちらが良いかについて結論が出ています。

そこで今回は順張りと逆張りのどちらが良いかについて解説したいと思います。

投資は順張りが基本

早速結論から申し上げますと、投資は順張りが基本です。

大抵の勝ち組投資家は順張り思考で投資を行っています。

なぜ順張りの方が良いかを挙げるとすれば、以下の理由が挙げられます。

底値や天井は誰にも分からないから

個人投資家によくありがちな勘違いは、「株式市場では他人と違う投資を行って大多数の人を出し抜くことで大儲けするものだ」というものが挙げられます。

つまり「皆が売り逃げているときに底値で買って、皆が買い急いでいる時に高値で売り捌く」というイメージです。

投資は安く買って高く売ることで利益が出るというのは間違いではありませんが、そのイメージで投資をすると痛い目を見ます。

なぜなら、「底値で買って高値で売るという発想自体が実現不可能な想定だから」です。

そもそも底値や天井なんて言うのは後になってみないと分からないことです。

しかし、投資の判断は「今」するものです。

「一見高そうに見えた株価も、後になってみればずいぶん割安だった」とか、逆に「当時はいかにも割安に見えたのに後になってみれば割高過ぎた」なんてことは日常茶飯事です。

「ここが底値だ!」と思って買いを入れても、実はまだ下り坂の途中で小休止しているだけで、買った後にまた下がりだしたり、「もうそろそろ天井だろう」と売り捌いたら、まだまだ上昇していって悔しい思いをしたという経験がそれを証明しています。

結局のところ、どこが底値でどこが天井かなんて誰にも分からないことであり、底値や天井を予想して行う逆張りの投資には発想自体に無理があるのです。

それよりも「上がっている株を買って上がっているうちは持っておく、下がりだしたら売る」という順張り投資の方が自然な発想であり、誰でも真似しやすいのです。

株式市場は美人投票だから

みんなで「誰が一番美人か」について投票する

もっと単純に順張りの方が良い理由を言うと「株式市場の性質は美人投票だから」というのが挙げられます。

美人投票というのはイギリスの経済学者であるケインズが金融市場の性質を例えたものです。

要約すると「株式市場というのは、あなたが上がりそうだと思った株が上がるのではなく、他の大勢の投資家たちが上がりそうだと思う株が上がる」ということです。

なぜなら、株価が上がるためにはその株を買う人が大勢いなければならず、あなた一人がその株を買っても意味がないからです。

他の大勢の人があなたの買った株を買うからこそ株価が上昇し、利益が出るのです。

この考え方はまさに順張りの考え方であり、株価が上がっている(=みんなが欲しがっている株)を買うということになります。

逆張りというのは、みんなが良くないと思っている株(=下がっていて底値だと思われる株)を買い、皆が良いと思っている株(=上がっている株)を売るわけですから、株式市場の性質の真逆を行ってしまっているのです。

これでは値下がりする株を買い、値上がりする株を売ることになってしまいます。

つまり、順張りの方が「利益を買い、損失を売る」という自然な発想で投資ができるという事です。

海外投資家は順張りで儲けている

あなたは「日本の株式市場の大半は海外投資家が動かしている」という事実をご存じでしょうか。

これはきな臭い陰謀論などではなく、「投資主体別売買動向」という実際のデータとして示されています。

「投資主体別投資動向」 引用:https://kabukiso.com/advice/kabu00_0022.html

投資主体別売買動向とは日本の株式市場において誰が買って誰が売っているのかを時期別にまとめたものです。

データによれば日本の株式市場で行われる売買の約70%は海外投資家によるものだという事が分かっています。

上図を見ると2020年はコロナウイルスの影響で日経平均が大きく下がっていることが分かりますが、この時誰が買って誰が売っていたのでしょうか。

それは見れば分かる通り、海外投資家が大きく「売り越し」で、日本の個人投資家が「買い越し」だったのです。

2020年はコロナ禍で日経平均が1か月で3000円も値下がりする状況であったため下がりすぎている、つまり「そこら辺が株価の底であり、ここで買えば大きくリバウンドして儲かるだろう」と考えた個人投資家が逆張り思想で買いに向かっていたのです。

しかし、コロナ禍で連日株価が下がっていく中、個人投資家は株を買っていたわけですから当然含み損を抱えることになったでしょう。

データを見れば、この時期に株を買った人はほぼ全員が負けていたという事になります。

一方、海外投資家はどうしていたかというと、圧倒的に「売り越し」でした。

これが何を意味するかというと、海外投資家は日経平均が値下がりするときにいち早く売り逃げて損失から身を守ったり、あるいは空売りで利益を上げたりしていたという事です。

まとめると、日本の株式市場を支配している海外投資家は圧倒的に順張り思考で儲けており、逆に個人投資家は逆張り思想で損しているという事になります。

したがって、投資をするなら市場を支配している海外投資家と同じ順張りの方が良いという結論に至ります。